2015年2月26日木曜日

非対称オフセットリムの方が効果はあるのでは?

どうも、YMDです☆
前回の記事に引き続き、
ホイールのスポークテンションバランスについて・・・

前回の記事ではハブフランジの幅や大きさの影響について考察しましたが、
そこでフランジの幅方向の位置の影響が大きいと結論付けました。

その後、ふと
「あ、非対称リムってのがあるやん」
と気付きました(遅い)

フランジの幅方向位置の影響が大きいなら、
非対称リムによるリムのオフセットは結構効果大きいのでは?!

というわけで、今回もCADで検証してみましょう☆

手組で使える非対称リムってのはホントに限られてるみたいですね。
とりあえず有名なDTのこれで見てみます。

DT RR440 ASYMMETRIC
http://www.dtswiss.com/Components/Rims-Road/RR-440-asymmetric
オフセット量は明記されてませんが、とりあえず3mmぐらいかな?

まずはエボライトハブの場合から。

駆動側4.02°、非駆動側6.93°
リムの径が違うので厳密に非対称形状の分だけではないですが、
ENVE 1.45の場合だと3.63°の8.04°なので、左右バランスはかなり改善されてますね!

お次、超ハイローフランジのBARTIME RS100ハブ

駆動側4.34°、非駆動側6.6°
おー、かなり近づきましたね。
これぐらい近いと左右同数スポークで普通に組んでも問題なさそうな☆

最後、個人的に一番好きなフランジ寸法のSUZUE

駆動側4.29°、非駆動側7.91°
上2つよりバランスは悪いですが、マシにはなってますね☆

なんかたくさんのパターンで検証して何が何だかになってきてるので、
各パターンでの結果を表にまとめてみました。

左右バランスの良さを見るために、左右のスポーク角度の比も載せてみました。
ちょっと見方が難しいかもですが、同じハブ同士、同じリム同士で比べてみると、

・エボライトハブの場合
 リムをENVE 1.45からDT RR440にすると、左右比が2.21→1.72と約0.5ポイント改善

・ENVE 1.45リムの場合
 ハブをエボライトからRS100にすると、左右比が2.21→1.95と約0.25ポイント改善

リムをわずか3mmオフセットさせるだけで、
かなりの改善効果が見られるのが分かるかと思います。
ただ、ハイローフランジに効果が無いわけではないので、
この2つを組み合わせたパターン(RS100ハブ+RR440非対称リム)だと、
左右比が約1.5まで近付きます。
上でも書きましたが、これぐらい近くなると2:1組じゃなくても充分なホイールが組めそうな感じもします。

ちなみに、左右のスポーク角の合計が横剛性の大きさにほぼ比例するものと考えられます。
これに関しては、
・ハブのフランジ間幅が広い
・リムの径が小さい≒ディープリム
という2点が大きな要素になります。

RS100ハブはこの合計角度もエボライトハブとほぼ同等で、
かつ左右バランスをエボライトハブより改善出来るので、
一度RR440非対称リムと組み合わせてホイールを組んでみたいですね☆
スポークは、駆動側DTコンペティション、非駆動側DTレボリューションor SAPIM CX-RAY、
組み方は駆動側3cross、非駆動側4crossとかかな。

と書いたところで、
次回はこのスポークの太さや組み方によるテンションの違いを検証してみましょうか。
実は、持ってるホイールもこのように左右でスポークの太さを変えて組んであるのがあるのですが、
それがどういう理屈で効いてるのか整理できていないので、一度整理してみたいと思います。

それはそうと、ここんとここんなマニアックな記事ばっかり書いてますが、
いくら機械設計屋のブログやからって、
こんなマニアックな記事興味持って読む人いるんでしょうか?(笑)

1 件のコメント:

  1. めっちゃくちゃ面白いですよ。

    自分も、BARTIMEのハブを取り寄せて、組んでみることにしました。
    オフセットリムと、軽量なカーボンディーピリムとでは、どっちがより、『走る』んでしょう?

    リムの軽さと、駆動力の伝達性の高さのどっちが有利に働くのか?

    計算でそれが出せてしまうのなら、すごいことだと思います。

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